会話のみのものや短いものを置いておく場所です。
CPはほぼ快新。別CPの場合は注意書きがあります。
精神的KID≠快斗です。
苦手な方はご注意を。
拍手その7の設定です。
* * *
馬鹿馬鹿しいことだと言われるのだろうか。
それでも、嫉妬してしまうのだ。
日の光の中で笑う彼を。
真実の姿で生きる彼を。
誰よりも近くで観れるその存在に。
「キッド」
鏡の前に立って、自分の姿を睨みつける。
鏡に映っているのは「快斗」じゃない。白い姿をした「私」
「なんですか?快斗」
もちろん、呼び出された理由は分かっている。
今晩、彼と会ったから。手加減なしの「ゲーム」を楽しんできたから。
それが分かっているからワザと挑発した。
鏡を割ろうする腕を抑えつけたのか、手を強く握りしめていた。鏡を割ったところで「私」は消えない。私の想いも。それを「快斗」は知っているのだ。
「お前に新一を渡すつもりはねぇ」
「おや、名探偵は快斗のものではないでしょう?」
だからと言って、私のものでもない。
私だけど、私じゃない。
私と同じ存在なのに、違う存在。私はあくまでphantom――「幻影」なのだから。
彼に触れる事も、近寄る事も許されないのだ。
嫉妬に狂った「快斗」の顔。
そうか、もう、狂わされているのか、「私」も「快斗」も…彼によって…。
「…ぜってぇ新一は渡さない」
「それはこちらの台詞です」
光の中の自分。真実の姿でいられる自分。『光』である彼の隣に立てる自分。
「私」では願う事すら叶わない夢。
あぁ、それなら…
彼を闇へと誘えばいいではないか。
闇へと誘い、捕らえて離さない。
「光」がなければ「闇」は生まれない。「闇」は常に「光」を求め続けているのだ。
黙って月を見上げる「快斗」の横顔を見た。
もし、「私」が彼を無理やりにでも奪ったらどんな顔をするのだろうか。
クスッと笑みを零すと快斗は嫌そうな顔をして、鏡を布で覆った。
これで姿を見ることはできない。
それでも、「私」は「快斗」と共にいる。
自分の一部なのに、違う存在。
自分なのに、名探偵の瞳に「快斗」が映ったのだと思うだけで闇が更に濃くなる。
馬鹿馬鹿しいと言われるだろうか。
phantomのクセに彼に恋い焦がれるこの心を…。
* * *
KIDsideです。
ここから拍手7へとつながるつもりです。
快斗sideをベースに書いたから書きやすかったー…かな?
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