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会話のみのものや短いものを置いておく場所です。 CPはほぼ快新。別CPの場合は注意書きがあります。
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窓側の席、後ろから二列目。ぼんやりと外を眺めている姿に新一は誰にも気づかれないように溜息を吐いた。
これでは横顔も見れない。いや、見ている事がバレたら拙いから…結局これでいいのかもしれない。
視線を前に戻して、授業に集中しているふりをした。でも頭の中で考えているのは彼の事…黒羽快斗の事だけだった。

初めて姿を見た時、誰かに似ていると思った。自分ではない、誰か。
そこから興味が湧いたのかもしれない。いつの間にか視線はいつも彼を追っていた。
話したこともある。同じ学部にいて、いくつか授業が重なっているのだから当たり前と言えば当たり前だが…。まず、彼の知識の多さに驚いた。噂ではIQ400あるとか言っていたか、嘘みたいな数字でも彼がそうだと言われれば何故か納得しそうになってしまう。話術も心得ているのか、話していて楽しかった。
だが、それも数回、しかも僅かな時間だけの事だ。

…黒羽ともっと話がしたい。

でも、そうすれば悟られるかもしれない。…新一の心の内を。

好き、なのだ。…黒羽が。

そう気づいた時は焦った。彼は男で、俺も男なのに…。気づかれたら絶対に拒絶される。きっと目も合わせようとしてくれないに違いない。
だから、近づきたくても近づけない。

…どちらにせよ、警部からの頼みで事件に関わってばかりだからそんな機会もないのだけれど。

こうして遠くからでも見ていられるだけでいい。それだけで…――


「では、今日はこれで終わり」


告げられた終了の言葉に学生達はガタガタと椅子から立ち上がった。
新一も鞄にノートとか突っ込みながらぼんやりとこれからの予定を考えていた。

今日はこれでもう授業はないし、警部からの呼び出しも今のところない。昨日の事件は結果待ちだし…久しぶりに本屋に寄っていくか?新刊はないにしろ、何か面白そうなものがあるかもしれない…。

「…工藤」

いや、それよりも博士の所へ行って新しいメカの試作品を見せてもらうのもいいかもしれない。灰原も診断させろっつってたしな…。

「工藤…おーい、工藤?」
「…え?」

ふと顔を上げると、目の前に…

「く、黒羽?」

鼻がくっつきそうな距離に黒羽がいた。…なんで?

「やーっと気付いたか」

呆れたような、楽しそうな笑みを浮かべている。
気づけば数人…いや、クラス中の視線を集めていた。

…それは、黒羽がいるからだろうな。

入学早々に得意のマジックを披露した上、このルックスだ。あっという間に大学内…いや、付近の大学からも人気を集めている黒羽だ。実際、想いを寄せているのも一人や二人ではない。…そして俺も。

「工藤?なんかぼーっとしてる?」
「あ、悪い…で、何か用か?」

人の視線を集めているのも気分のいいものでもない。なるべく早く黒羽から離れたい…いや、離れたくないのかもしれない。

「えっ…あ、そうだよな…うーん…」
「?」

珍しく…と言ってもそんなに話したことがないけど、歯切れの悪い黒羽も珍しい。
話しかけたのはいいが、話すことが見つからない…そんな感じだ。…ま、黒羽に限ってそんなことはないか。

「そうだな…とりあえずさ、デートしない?」
「…………は?」






***


この間書いて、エラーですべて消えた話…をかなり改装したブツです。
これも一応片思い新一さんで。でも、お題のよりは明るめで。実際片思いしてる人はもっと切ない…って感じだろうなー…と思いつつも。この新一さんは片思いってより憧れに近いような?TVの向こうの芸能人に憧れるような感じかな。
まぁ、そんなこんなで…続きます。


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