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会話のみのものや短いものを置いておく場所です。 CPはほぼ快新。別CPの場合は注意書きがあります。
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近くのマックで少し早目の食事をするために俺達は昼前の閑散とした店内に入った。ちなみに、関西ではマクドというらしい。
それは、いいが。何故俺が黒羽と一緒にここにいるんだ。
「デート」と言っていた。……ま、黒羽のちょっとした冗談なんだろうな。それでも、俺の心臓の鼓動を早めるには十分だった。

「工藤ーおまたせー」

先に会計を済ませて、どこに座ろうか…と視線を彷徨わせていると後ろからやたら元気な声が聞こえた。
くるっと振り返ると同じように会計を済ませた黒羽が軽快な足取りで近寄ってきた。

「席取った?…って、工藤」
「いや、まだ…って、なんだよ?」
「それだけ?」
「は?」

訳が分からなくて黒羽の視線の先を辿ると俺が手にしているトレーに辿り着いた。
トレーの上にはハンバーガーが1つとコーヒー。…普通じゃないのか?
と、黒羽の方へ視線を向けて…唖然とした。
ハンバーガーが恐らく3つ。ポテト1つ。飲み物。デザートらしきもの。

「いや、黒羽が多いんだと思うぞ?」
「そうかぁ?」

それより工藤が少なすぎ!と騒ぐ黒羽をさらっと流して周りに視線をやった。
…どうにも席が空きすぎて困る。とりあえず、窓際とか?

「…工藤、こっち」

さっきまで一人騒いでいたのに俺の腕を掴んでさっさと歩きだした。向かったのは人目に付きにくい一番奥の席。…まぁ、混んできた時にはいいかもな。と思いながらも黒羽の反対側に座った。

「俺さ、一回工藤とゆっくり話してみたかったんだ」

嬉しそうに笑った黒羽の目にきょとん、とした俺の姿が映っている。

「工藤って、講義が終わったらすぐ帰っちまうだろ?」

まぁ、最近は特に忙しかったし…

「それに、すぐ別の誰かに工藤取られるし」

そう言った黒羽の目が一瞬だけ、別人のもののように見えた。冷たくて、思わず鳥肌の立つような…。
しかし、それも一瞬の事。すぐにいつもの笑みに戻っていた。まるで今見たのは幻だったかのように。

「だから、今日は捕まえれてラッキーだった」

と思わず見惚れるような笑みを浮かべた。
や、これで見惚れない人がいたら会ってみたい。だが……何かが俺の中で引っかかる。さっきの黒羽の目が気になるのか?

「…迷惑、だった?」

不安気に揺れる瞳に慌てて首を横に振った。

「俺、も…黒羽と話したかった…から…」

言ってしまってから恥ずかしくなった。何言ってんだ、俺は…。

「よかった」
「ッ…」

油断するとトマトのように真っ赤になりそうな顔を必死でポーカーフェイスで保ちつつ、何でもない不利をしてみた。…なんとなく、黒羽にはバレてる気はするけど。

……どうして、こんなことになったんだ?






「今日はありがとう」

もうお昼時だからか、店が混んできたのに気づいた俺らは席を立った。
黒羽はこれから3限があるらしい。俺はもう帰るだけだ。そもそも、1限だけ出てくるのって面倒なんだよな…まぁ、今日は黒羽と話せたからいいけど。

「また誘ってもいいか?」
「あ、あぁ」

やっぱり、黒羽と話すのは楽しい。
でも、いつこの心の内を悟られるのかと思うと冷や冷やするのだ。

「なぁ、そういえば…」
「ん?」

駅の方へ向って2人で歩きだした。
…あれ?学校に戻るのなら反対の道なのに。

「工藤って恋人いないんだよな?」
「あぁ、そうだけど?」

好き…だと思っていた幼馴染とは家族のような付き合いになっている。そういえば、この間彼氏が出来たと言っていた。
それに、俺は………

「じゃあさ」

突然足を止めた黒羽にグッと腕を掴まれた。

「え…?」

気づいたら黒羽の顔が驚くほど近くにあった。「似てる」と言われたことは何度かあるが、俺にはない男臭さのある綺麗な顔。……………いやいやい、ちょっと待て。近い?

「俺が狙ってもいい?」

思ったより低い声が耳元を掠め、思わずギュッと目を閉じてしまった。同時にふわり、と何か柔らかいものが頬に触れる。

「好きだよ、新一」

その言葉の意味を理解して、自分の目の前で不敵な笑みを浮かべている黒羽を見て………俺は一気に真っ赤になった。多分トマトを隣に並べても赤さなら劣らないと思う。

「え、あっ…?」
「これから全力で落とすから覚悟しておけよ?」

不敵な笑みの黒羽は誰かの姿を彷彿とさせる気もするが、誰の目から見てもかっこよくて、俺は何も言えなかった。
颯爽と去っていく後ろ姿を見送って、一人立ち尽くした。

「…嘘、だろ?」

擦れ違う人々が俺を見ていようが関係ない。確かにその時、俺の中の何かが音を立てて動き出した。





***

ってことで、1個前に書いたものの続きです。
目標としては「かっこいい快斗」です。達成できた…のか?新一さんが乙女っぽいです。
まぁ、「片思い」をテーマに書きつつも「片思い」じゃないんですけどね、これ。快斗sideを書いてもいいんですが、大体想像つくと思うので…。
つまり、快斗もばっちり新一の事始めから狙ってたんだぜーって話。初めに授業そっちのけで窓の外見ていた快斗は実は窓に映ってる新一を見ていたんだよー…っていう設定とか。どこかで書いたような気はしますけどね。その設定。
これから新一サンはもう落ちてるのに無駄に快斗に口説かれるんだと思います。それに毎度毎度動揺しつつも中々本心を言いだせない新一サン。分かりやすい反応してるのに何故か気付かない快斗クンは日々新一サンに近づく人を牽制していく。
そんな感じになるのでは。

ちなみに、初めの方にある「マ/ッ/ク」or「マ/ク/ド」。
私は「マ/ッ/ク」です。紛らわしかろうが「マ/ッ/ク」。今更変えるのも呼び辛いんですよね。あ、関西の方が「マ/ク/ド」でよかったですよね?


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