会話のみのものや短いものを置いておく場所です。
CPはほぼ快新。別CPの場合は注意書きがあります。
『紹介したい人がいるの』
そう言って微笑む幼馴染みを見て小さく胸が痛んだ。
あぁ、ついにこの日が来たのか…と。
それはかつて恋心を持っていた者の嫉妬ではなく、娘を取られた父親のような心境だった。
近過ぎた関係はいつしか淡い恋心を昇華させ、親愛へと変わっていった。
彼女もその変化に気づき、互いに何も告げぬまま俺たちの恋は終っていった。
温かい思い出と僅かの罪悪感を残して。
だから、待ち合わせ場所に現れたこの男を思わず殴りたくなるのは仕方がないだろ?
「よ。新一!久しぶりだな」
長い手足に綺麗な手。色んな方向に跳ねた髪。顔なら若干の違和感はあるものの見覚えはある。
...鏡の中で。
だが、俺はこいつを知らない。 ーー気配なら嫌と言うほど知ってはいるが。
「あれ?新一、黒羽くんと知り合いだったの?」
驚いたような幼馴染みの顔。 それを視界に入れながらも俺はクラクラとする頭を必死に現実に引き止めていた。
...こいつが蘭の彼氏...? まさか...嘘だろ...?
「どうした?新一?」
「変なの。あ、黒羽くん。青子ちゃんは?」
「あぁ、あいつならもうすぐ...」
「あ、おこ...?」
現実からの逃避を謀りながらも耳に入って来た新たな単語に反応した。
「やっと戻って来たわね。なによ、言ったでしょ?紹介したい友達がいるって」
「......友達?」
初耳だ。
...って事はこのイケ好かない気障な怪盗と同じ空気を持つこの男は蘭の彼氏じゃ、ない?
「言ってなかった?まぁいいわよね。私、青子ちゃんのところ先行ってるね」
俺と男を残したまま蘭は走っていった。
「...よ、かった...」
「何、名探偵。蘭ちゃん俺に盗られるとでも思った?」
ほっと息を吐いていると、俺の横に立つ男がニヤニヤと笑みを浮かべていた。
「ちげぇよ。大体、俺と蘭はそんなんじゃねー」
「へぇ?じゃ、マジで狙っちゃおうかなー」
「バーロッ!んな事しやがったら...」
「何?俺の事警察に話す?」
シニカルな笑みを浮かべ、挑発する姿は白い姿の時と変わらないように見える。
「...はぁー...ったく、てめぇはよくそれで今まで捕まらなかったな」
「ま、ここまで気配隠さないのは新一だからだけど」
「はぁ?探偵にワザと正体バラす怪盗がどこにいんだよ。大体『新一』って呼ぶな。馴れ馴れしい」
「いるだろ、ここに。それにケチケチすんな、名前ぐらい」
そう言って軽く目を伏せて冷涼な気配を霧散させた。
そこに居るのは既に唯の一人の青年。
「手馴れてるな」
「まぁね。で、ここに居るのはもう『黒羽快斗』っていう唯の人間。だから快斗って呼んでよ」
軽くウィンクして笑う姿が妙に様になっていてムカつく。
「誰が呼ぶか。バーロ」
「えー酷ぃー。快斗くん傷ついちゃったー」
「気持ち悪い」
本当にこいつがあのキッドか?もう詐欺だろこれは。
*** 削除防止用... 書きかけです(/ _ ; )
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