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会話のみのものや短いものを置いておく場所です。 CPはほぼ快新。別CPの場合は注意書きがあります。
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「とりっく おあ とりーと!」

可愛らしい声が頭から降ってきた。いや、実際には機嫌の悪そうな声だったのだが。

「お久しぶりですね。名探偵」

にやりと笑って見上げると不機嫌そうな顔をした子供…今は魔法使いのような格好をしているが、紛れもない名探偵が座っていた。

「それにしても、ずいぶんと可愛らしい格好をなさってますね」
「るせ」

腕を伸ばしてにっこりと笑うともの凄く嫌そうな顔をされた。それでも自分が今座っている場所の高さを考えてか、そのまま腕に飛び込んできた。

「珍しいですね」

貴方が素直に降りてくるなんて。

「……で、どっちなんだよ」

お菓子かいたずら。

「そうですねぇ…」

お菓子は持っていない。さっきの現場ですべてばら撒いてしまったから。
さて、どうするかな…。

目の前でにやりと笑う姿は魔法使いの衣装よりも黒い尻尾の方が似合う。

ひょっとするとキッドがすべてをばら撒いてしまったと読んだのかもしれない。確信犯か?

「…では 、treatにしましょうか」

名探偵の目が僅かに大きくなった。

「へぇ?で、何をくれるんだ?」

甘いお菓子は持っていない、それならば…。

ちゅ
軽い音を立てて目の前の形のいい唇に口づけた。

「なっ…!?」

お。驚いた顔も可愛いいなー。

「甘いでしょう?」

お菓子は持っていない、それならば甘い口づけを…。

真っ赤な名探偵の頬にもう一度口づけを落としてにやりと笑った。

「ご所望ならば、今夜はずっとこうしていても構いませんよ?」

むしろ離すことはできない。

「ッ…もういい。好きにしろ」

フイッと顔を背けた名探偵に少しだけ驚いた。本当に、今日はどうしたというのだろう?

「……いつになく、素直ですね」
「別に」

そっけない。

「……そういえば、この衣装はどうされたんですか?」
「うっ…」

あからさまに目をそらした。

「…………この衣装に原因が?」
「原因ってなんだ、原因って」
「…隣の彼女が関係してたり?」

びくっと肩が揺れた。図星か。

「何か弱みでも握られたんですか?」
「そういうわけじゃ…ただ…」
「ただ?」
「なんつーか…罰ゲームみたいな?」
「……………どういうことですかそれは?」
「お前…顔怖いぞ」
「気のせいでしょう」

で、何の罰ゲームで罰ゲームでどうしてこんなことになるのか、是非教えてほしいものですね?

「俺がちょっとあいつの約束破っちまって…それでこの服着てお前のところ行ってこいって…」
「ふぅん…」

なるほど、そういうことか…。

「キッド?」

不思議そうな顔をした名探偵の額に唇を落としてギュッと抱きしめた。

「な、な…」

わたわたと暴れる体を無理やり抑えて、そのまま屋上から飛び降りた。

「キッド!」
「私の隠れ家に行くだけですよ」
「はぁ?」
「どうやら、私の方がお菓子をもらったようですね」

彼女から

「どういうことだよ!」
「まぁ、彼女からいたずらされるというのもまた何されるかわかったもんじゃないですからね」

私は貴方という甘いお菓子を、私は貴方に甘いキスを…

Trick or Treat?

甘い夜を貴方に……


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