会話のみのものや短いものを置いておく場所です。
CPはほぼ快新。別CPの場合は注意書きがあります。
『終わりにできるなら、どんなに楽だろう 』
ココロの中でそっと呟いた。
「よ。新一」
軽い声と軽く叩かれた肩に新一は隣に目をやった。
隣にいたのは大学に入ってからの友人。
「随分早いな。珍しく」
「俺だってたまには遅刻しない日もあるんだよ」
「明日は雪が降るかもな」
空を見上げると分厚い雲が覆い尽くしていた。本当に降るかもしれない…いや、今は夏だ。
「新一こそ、学校出てくんの久し振りじゃね?」
「最近忙しかったからな」
大きな事件を抱えていたが、それは昨日終わった。あとは結果待ち。
「留年なっても知らねぇぞ」
「お前にだけは言われたくない」
ニヤッと意地の悪い笑みを浮かべる友人の額にベシッとデコピンをして、さっさと歩きだした。
後ろで何か叫んでる声が聞こえるような気がするが気にしない。
もう一度どんよりと暗い空を見上げて溜息を吐いた。…まるで、今のココロの中のようだ。
…会いたかった。
…会いたくなかった。
…気づいてほしい。
…気づいてほしくない。
…好きなのに。
…伝えられない。
「好き、なのに」
友人の黒羽快斗。
友人であり、それ以上ではない。まぁ、「親友」と言ってもいいかもしれないが、所詮「友人」だ。
その快斗に恋に落ちたのはもう、いつだったか忘れた。
「しんいちー!」
バタバタと走ってくる音に新一は振り返った。
…終わらせたい。好きだから。
…終わらせたくない。好きだから。
「遅いぞ。快斗」
それでも今は…
「友人」としての「工藤新一」の仮面を被るしかないのだ。
――…終わりにできるなら、どんなに楽だろう …
この残酷で、幸福な日々を…
***
「振り向かない人を想いつづけるお題」
配布処:COUNT TEN.
に挑戦してみようかな…っと。shortshortで短いお話。
快←新です。
一応休止中の身なので、更新率は高くないです。思いだしたときに書く程度かも。でも、あくまでshortshort。長くならない…ハズ。
ただ、片思いな新一クンが書きたかっただけです。それだけです。
PR
精神的KID≠快斗です。
苦手な方はご注意を。
拍手その7の設定です。
* * *
馬鹿馬鹿しいことだと言われるのだろうか。
それでも、嫉妬してしまうのだ。
日の光の中で笑う彼を。
真実の姿で生きる彼を。
誰よりも近くで観れるその存在に。
「キッド」
鏡の前に立って、自分の姿を睨みつける。
鏡に映っているのは「快斗」じゃない。白い姿をした「私」
「なんですか?快斗」
もちろん、呼び出された理由は分かっている。
今晩、彼と会ったから。手加減なしの「ゲーム」を楽しんできたから。
それが分かっているからワザと挑発した。
鏡を割ろうする腕を抑えつけたのか、手を強く握りしめていた。鏡を割ったところで「私」は消えない。私の想いも。それを「快斗」は知っているのだ。
「お前に新一を渡すつもりはねぇ」
「おや、名探偵は快斗のものではないでしょう?」
だからと言って、私のものでもない。
私だけど、私じゃない。
私と同じ存在なのに、違う存在。私はあくまでphantom――「幻影」なのだから。
彼に触れる事も、近寄る事も許されないのだ。
嫉妬に狂った「快斗」の顔。
そうか、もう、狂わされているのか、「私」も「快斗」も…彼によって…。
「…ぜってぇ新一は渡さない」
「それはこちらの台詞です」
光の中の自分。真実の姿でいられる自分。『光』である彼の隣に立てる自分。
「私」では願う事すら叶わない夢。
あぁ、それなら…
彼を闇へと誘えばいいではないか。
闇へと誘い、捕らえて離さない。
「光」がなければ「闇」は生まれない。「闇」は常に「光」を求め続けているのだ。
黙って月を見上げる「快斗」の横顔を見た。
もし、「私」が彼を無理やりにでも奪ったらどんな顔をするのだろうか。
クスッと笑みを零すと快斗は嫌そうな顔をして、鏡を布で覆った。
これで姿を見ることはできない。
それでも、「私」は「快斗」と共にいる。
自分の一部なのに、違う存在。
自分なのに、名探偵の瞳に「快斗」が映ったのだと思うだけで闇が更に濃くなる。
馬鹿馬鹿しいと言われるだろうか。
phantomのクセに彼に恋い焦がれるこの心を…。
* * *
KIDsideです。
ここから拍手7へとつながるつもりです。
快斗sideをベースに書いたから書きやすかったー…かな?
精神的にキッド≠快斗です。
苦手な方はご注意ください…。
拍手その7の設定のつもりです……。
* * *
馬鹿馬鹿しいことだと言われるだろうか。
それでも、嫉妬してしまうのだ。
月の光を浴びて笑う彼の姿を。
楽しそうに「ゲーム」をする彼の姿を。
誰よりも近くで見れるその存在に。
「キッド」
鏡の前に立って、自分の姿を睨みつける。
そして、不意にグラリと鏡が歪んだように見える。
「なんですか?快斗」
一瞬にして、鏡の中の自分の姿は真っ白な姿に変わった。
もう一人の自分。でも、自分ではない存在。
「……分かってんだろ」
「…今晩は楽しかったですよ?名探偵が現場まで来てくれたのですから」
挑発的な笑みを浮かべる。
衝動的に鏡を割ってしまいそうになるが、無理やり抑え込んだ。
「お前に新一を渡すつもりはねぇ」
「おや、名探偵は快斗のものではないでしょう?」
だからと言って、コイツのものでもない。
自分だけど、自分じゃない。
何よりも自分に近くて、何よりも負けたくない存在。
そして…彼をめぐる唯一と言っていいライバル。
「…ぜってぇ新一は渡さない」
「それはこちらの台詞です」
鏡の中の自分との間に火花が散った。
長いようで短い睨み合い。ふっと目を逸らして、月を見た。
あぁ、こんな綺麗な月の下で見る新一はきっと綺麗なのだろうと思う。
それでも、俺はこいつじゃないから見ることが出来ない。
勝ち誇ったような笑みに腹が立って、鏡を布で覆った。
これで姿を見ることはない。
それでも、「キッド」は自分の中にいる。
自分の一部なのに、違う存在。
自分なのに、新一の瞳に「キッド」が映ったのだと思うだけで心が真っ黒に染まる。
馬鹿馬鹿しいと言われるだろうか。
自分自身にすら嫉妬するこの心を……。
* * *
今度はKIDsideを書きたいですねぇ…。
新一を巡ってのバトル!人間は二人しかいないのに三角関係…。
ちょっと気に入ってる設定だったり(笑
好き、なんだろうか。
目の前でぐっすりと眠る人物を見つめて、怪盗は小さく嘆息した。
月明かりで更に白くみえる肌。サラサラと流れるような黒髪。折れそうなほど細い体。宝石のような瞳は閉じられたままだ。
綺麗な人。男……そう、男なのだ。しかも探偵。
それで、「好き」?
………。
いやいやいや、そんな筈はない…と思う。
「……」
静かに眠る探偵の頬に触れそうになって、慌てて手を引いた。
……何をしているのか。
何故、ここにいるのか…。まぁ、気づいたらここにいた。というやつだ。
ふらふらと虫が誘蛾灯に誘われるようにここにいた。
探偵なのに。男なのに。
しかも俺は怪盗で、もちろん男。
世の中にはそういう趣味の人もいる。だが、俺自身がそうなのか、と言われたら迷うことなく「否」と答える。
嗜好としてはストレートな筈だ。でも、今の俺はなんだというのか。
相手が寝てる時間に家に押しかけて、寝顔を見つめてる。
真っ直ぐ見詰められれば胸の辺りがドキドキと音を立てる。
偶然すれ違ったら振り向かせたくなる。
「……ん…」
少し身動ぎしただけで体がビクッと震えた。…我ながら、情けない。
心なしか、寝苦しそうだ。あぁ、俺がこんなに見ている所為かな。怪盗に見つめられるのは嫌?
…嫌、だろうな…。
自分で勝手に結論を出して、苦しくなった。
「好き、だよ……新一」
口に出してしまえば何故だか心が軽くなった。
…やっぱり、「好き」だったのか。
あぁ、それでも、きっと叶わない。
心が軽くなったのは一瞬で、すぐに黒いもので覆い尽くされた。
ふわり、とカーテンが揺れる。
「では、また月の綺麗な晩に……お会いしましょう、名探偵」
白い影が音もなく消えた。
***
前も書いたことのあるような気がする…?
似たようなのは何度か書いてるのかな。
迷ってる快斗クンが好きです…。そして、新一さん…一言も話してない。寝てるから…。
そういえば、これも夜這いっていうんでしょーか…。
※DQ4のパロで、快新です。
ゲームのネタばれがありますのでご注意ください。
鼻を刺す鋭い匂いに新一は思わず顔を顰めた。
辺りを見渡せば、綺麗に咲き誇っていた花々は踏み荒らされ、川は毒が溢れ、家は燃やされていた。
「何だよ…これ…」
村の人々はどこに行ったのか、と探してもどこにも見当たらない。
「らん…蘭は…?」
俺を守ると言っていた。本当は守られるべきなのは俺じゃないはずなのに。
どうして彼女が俺を助けるなんて…それに…
「誰を探しているんだ?」
突然かけられた声に新一は体を固くした。
聞き覚えのある…でも、似ても似つかぬ冷たい声だ。
ゆっくりと振り返ると、そこに立っていたのは一人の青年。
「あ、なたは…」
黒い髪に人懐っこそうな笑顔。ただ、その笑顔は今朝見たものとは違っていた。
道に迷ったと言っていた。外の話を沢山してくれた。いつか外に出てみたい、と言った俺の話を真剣に聞いてくれた。
なのに…
「貴方が…貴方が村を襲ったのか」
「正解。流石だね」
笑っているのに、目が笑っていない。まるで獲物を捕らえた獣のような目だ。
ゆっくりと近寄ってくる青年から新一は逃げるように後ずさった。
それでも、あっという間に追いつかれてしまった。グイッと顎を強く掴まれ、冷たい目に自分の姿が映っているのが見える。
「ほんと、綺麗な目…やっぱりさっきのは偽者だったか」
「偽者…?」
まさか…と思いいたる事があって、顔が青くなるのを感じた。
確か、蘭は…モシャスが出来る…と言っていなかったか。自分そっくりに姿を変えていた………まさか…。
「お前じゃなくてよかったよ、殺してしまうには惜しいからな」
楽しげに新一の顔の淵をなぞっていく。冷たい指。あぁ、この人は…人間じゃないのか。だからこんなに冷たいのか。
「その、偽者は…」
「さぁ?」
その瞬間、怒りで頭の中が真っ赤に染まった。
「ッ…」
「おっと」
腰に差した小刀に手をかけ、男の喉を狙うつもりが、あっさりと腕を取られた。
思った以上に強い力に抵抗することもできない。
「危ないなぁ…」
悔しさに唇を噛みしめ、無力な自分に腹が立った。
「これで、殺せるとでも思ってるの?」
小刀をおもちゃのように手でくるくるとまわして、その切っ先を新一の喉元にあてた。
…殺される。
それでもいいかもしれない。それなら、蘭やみんなの所へ行ける。
でも…この男だけは許さない。最後の最期まで、睨みつけてやる。そうしたら、来世でもなんでもいい。こいつを殺せるかもしれないから。
最後の抵抗だと捉えたのか、男はただ楽しげに笑った。
「やっぱ今殺すのは惜しいな」
小刀から手を離して、そのままグッと顔を近づけた。
「今は殺しはしない。だが、次会う時は覚悟しておくんだな」
それまでに強くなって、俺を殺しにこい。
「その時にお前が負けたら…お前は俺のモノだ」
お前が望んでいた自由も、何もかもを奪って俺だけのモノにする。
予言なんて関係ない。
「待ってるよ、新一…」
思ったよりも暖かい唇がそっと新一のそれに触れた。
思わずぎゅっと閉じた目を開いたときには、そでに男は姿を消していた。
――…そして来たる再会の時に備え、新一は旅に出たのだ…
***
主人公新一ばーじょん!
あ、快斗の名前出すの忘れてた。
鬼畜そうな男は快斗さんですよー…
でも、DQのパロって言ってる割には結構話は捏造してたり…。
書いてて楽しい~vv
ブログ内検索
カウンター