会話のみのものや短いものを置いておく場所です。
CPはほぼ快新。別CPの場合は注意書きがあります。
「あっつー…」
パタパタと下敷きで煽いでみるが生暖かい空気が混ざるだけだ。
「新一は涼しそうな顔してるよなー…」
「俺も暑いぞ」
「そりゃね、梅雨でじめじめする上に漸くついたクーラーは壊れてやがるし」
上を見上げると教室用の大きいクーラーが音を立てている。が、冷気は全くと言っていいほど来ない。
「ほら、だって新一汗掻いてないし」
ヒタヒタと滑らかな頬に触れてみるが、汗でべとべとしていない。ちなみに周りの男共は近づきたくもない。
新一は嫌そうに顔を顰めて手を叩き落とした。
「新陳代謝悪いんだろ、俺だって暑いもんは暑い」
「だよなー………なぁ、新一」
「サボるなら一人でしろ」
「まだ何も言ってないじゃん」
まぁ、図星なんだけど。ここは一つ話を変えてみよう。
「俺昨日誕生日だったんだぜ?」
「へ?そうなのか?」
不機嫌そうだった新一の目が驚いたように瞠った。そりゃ、知らなかっただろうな。言ってないし、俺。
それに昨日は休日だ。
「おめでとう?」
「どうも。ってか何で疑問形なんだよ」
「や、だって…お前がそーゆーことを過ぎてから言うのが珍しい」
ずっと前に言ってしつこくプレゼントでもせがみそうだ。
と真顔で言われて少し傷つく。
「じゃ、新一は前に言ったら何かくれた?」
「うーん……」
ほら、悩むだろ?
それに、前に言ったところで新一は忘れそうだ。
「お前は何か欲しいものあるのか?」
「ん?そりゃもちろん新一」
「……ふざけるなら何もあげないからな」
「えー」
ふざけてないよ?本気だって。俺はいつでも新一だけが欲しいの。
「新一がだめなら……そうだな、新一と遊びに行きたい」
「?んなもんしょっちゅう行ってるだろ」
「そーじゃなくてさ、知り合いのいないところで新一を独占していたいの。だからさ、どっか遠く行こ?」
「…旅行ってことか?」
「まぁ、そーゆーことだね」
『新一を独占したい』って台詞にはコメントなしですか。いい加減気づいてくれてもいいのに。
あ、ひょっとして何度も言ってるから免疫ついちゃった?なら今度からはもっとストレートに言ってみようかな。
「旅行か……夏だし、海とか?」
「却下。ヤツラがいるからヤダ」
「あ、そっか。んー…じゃあ…」
ちょっと首を傾げて、まるで推理しているときのように悩んでる新一の姿はカッコいい、というより可愛い。しかも俺の為に悩んでくれてるんだ。嬉しすぎて抱きしめたくなる。
「快斗は行きたいとことかないのか?」
「ん?そうだな…そうだ、新一が決めてくれる?俺へのプレゼントでさ」
「いいのか?」
「うん。新一が選んだところなら間違いないし、行き先決まるの楽しみにしてるからさ。あ、でもヤツラがいるところは簡便してくれよな」
「わかってるって」
新一はクスクスと楽しげに笑った。
新一が決めた場所で新一と二人っきりで行ける。こんな素晴らしいプレゼントはないだろ?もちろん、一番いいのは新一がプレゼントになってくれることだけどね。
「じゃあ決めておくよ」
「ありがと」
まだ見ぬ日を楽しみにして、今はとりあえずこの暑さを乗り越えなきゃな。
**
ハッピーバースディ!快斗!
一日遅れですが…。
クーラー壊れると最悪ですよねー…家はまだクーラーつけてませんが。扇風機クンが頑張ってます。
でもじめじめするー……。今日は特にそうですよね。
そういえばこの二人は一体何年生なんでしょ?
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昔の夢を見た。
忘れかけていた、遠い日の思い出。
「かいと…快斗?」
太陽が傾いて気づいたら公園にいたのは自分だけだった。
一緒にいたはずの少年を探して辺りを見渡すがその姿はない。
「帰った…のかな」
唐突に襲いかかる孤独感に首を振って気付かないフリをして、思わず溢れそうになった涙を拭いた。
「俺も、帰ろ…」
誰に聞かせるわけでもないが、自分自身に言い聞かせるように一人、歩きだした。
忙しい親に見送られて、二人で遊びに来ていた公園。いつの間にか同じぐらいの年の子と一緒になって遊び始めていた。
楽しかった時間はもう終わり、一緒にいたはずの少年も姿を消していた。
「帰るなら、言ってくれればいいのに…」
誰もいないのなら、少しくらい泣いてもいいかな…と弱い心が囁くが、意地で抑える。
ザワッと少し強い風が背中を押す様に吹きつけた。同時に舞う砂煙に思わず目を閉じた。
「新一」
「え?」
ぎゅっと後ろからのぬくもりに目を瞠った。
「酷いよ、先に帰ろうとするなんてさ」
「かいと?…どこに…」
「ねぇ、帰る前にちょっと寄っていい?」
どこに?と問いかける間もなく手を引かれていた。繋がれた手が温かい。
「しんいちっ!早く!」
「かいっ…」
まだ来たことのない所へ足を踏み入れて、少し躊躇した。それでも前を走る背中を見て、必死に足を動かす。
自分よりずっと高い木々が行く手を邪魔するが、それらをスルスルと避けていく。
空の色が変わり始めている事に気付いて不安になった。…帰れるのだろうか。
そんな事を考えていると、突然視界が開けた。
「!?」
「すごいだろ?」
小さい丘のような場所。そして目の前にあるのは真っ赤な夕日。
「綺麗…」
呆然とその光景に魅入っていると隣の少年は嬉しそうに笑った。
「この間見つけてさ、どーしても新一に見せたかったんだ」
「かいと…」
一人でいる寂しさを感じていたのが嘘のように心が温かくなるのを感じた。
「さんきゅ…」
その日は日が沈むまで夕日を見て、二人で一緒に家に帰った。
もちろん、帰りが遅いと親に怒られたのだけれども。
幼い日の小さな思い出…。
「よぉ、名探偵」
トンと軽い音を立てて背後に白いモノが舞い降りた。
「お前、人の後ろに立つなよな」
「名探偵がんなとこに立ってんのが悪い。何、月でも見て俺を思ってくれてたとか?」
「んなわけないだろ」
馬鹿かお前は。と一蹴するが、気にした風もなく隣に立った。
「懐かしいな…」
「何が」
「いや?こっちの話」
「……」
俺が本当に気付いていないと思っているのだろうか。
俺があの頃の事を全て忘れたと、本当に思っているのだろうか。
「なぁ、キッド」
「んー?」
昔の事を話せば、こいつはどういう反応をするのだろうか。
いつものポーカーフェイスが剥がれる瞬間を見ることが出来るかもしれない、と俺はキッドに気づかれないように小さく笑った。
**
拍手にある幼馴染設定の新一ばーじょん!
気付かれないように罠を張って、逃げられないように絡め捕る。
初めはただの淡い恋心だった。しかし、それはいつしか狂った恋に変わっていた。
「こんばんは、名探偵」
軽い挨拶だけでは相手にされない。少しでも興味を持つように巧みな話術で惹きつける。
微笑を浮かべてゆっくりと、罠へと誘う。
彼が警戒を解いたその刹那、美しい蝶を捕らえる蜘蛛の糸のように、もがいてもけして逃がさない。
小さな針を彼の綺麗な体に刺してニヤリと笑った。
あぁ、目を瞠って驚いた顔も愛おしい。
崩れる体を優しくそっと抱き上げて、額に口づけを落とした。
「愛してますよ、名探偵」
その声はもう届かない。
***
詩のような雰囲気を目指して…。
ここで終わらせようかと思いましたが、一応まだ続きます…。ハッピーエンドに向かって…。や、でもハッピーとはいかないかも…?
ヤンデレ?キッド様なのかな。
そういえば、ヤンデレって受けにしか使えないのでしょうか…。ほら、ツンデレって受けじゃない?だからヤンデレも受け専門用語なのかな…。
この場合、普通に病んでる。でいいのか。
チリっと腕に焼けるような痛みが走った。
「ソロ!後ろ!」
鋭い声に背後を振り返るのと同時に剣で敵を薙ぎ払った。
相手が倒れたのを確認し、辺りを見渡すが予想以上に的の数が多い。
「…ピサロ、頼む」
銀の髪の男が嫌そうに眉を顰めるのを見て思わず口元が緩む。
「さっさとしろ」
「わかってる」
目を閉じて呪文を詠唱している間、銀の髪の男――…ピサロは襲ってくる敵を撃退していた。
「…ギガディン!」
眩い光が辺りを包み、激しい落雷と共に魔物達は息絶えた。
「ありがとう。ピサロ」
「……」
礼を言うとピサロは無言でソロの腕に触れた。
「え…?」
ふわっと暖かいものが腕を包む。
「他にはないだろうな」
「あ、あぁ…ありがとう」
そういえば…とすっかり怪我が治っている腕を見下ろした。少し服が破れているが、後で繕っておけばいいだろう。
「ソロさん、怪我はないですか?」
「あ、クリフト…俺は大丈夫だからマーニャの方頼むよ」
「わかりました」
立ち去る神官を見送りながらソロはクスッと笑みを零した。
「なんだ」
「いや?なんか最近俺の怪我、ピサロに治してもらってばかりだなーって思ってさ」
一応自分でもできるけど?
と相変わらず不機嫌そうな顔の魔王様を見上げた。
「…お前はいつも自分の怪我を後回しにするだろう」
後で悪化して迷惑するのはこちらだ。
と冷たく言い放ち、馬車の方へ歩いて行った。
「へぇ…?」
クスクスと笑いながらピサロの横まで駆けて行くとまたさらに眉間に皺を寄せる。
「心配してくれてるんだ?」
「…誰がそう言った」
「元魔王様」
ピクッとこめかみが引き攣ったのが見えた。眉間には紙でも挟めそうなほど深く皺が寄っている。
「あ、そんな顔してるからロザリーさんが呆れてマーニャの影響受けるんだよ」
「……」
結構痛いところを突いたらしい。
「おーい。ピサロさん?」
「……」
「ピーサーロー」
「……」
「…変態元魔王」
「うるさい」
「お、やっと反応した」
ニコニコと見上げるとフン…と目をそらした。
「ピサロ?」
「もうお前にベホマなぞせん」
「あ、酷ッ!ってか大人げない!」
「なんとでも言え」
ギャーギャーと隣で騒ぎ続けても我関せずと無視を決め込む魔王にさらなる文句を言い続けた。
「元気ですね…ソロさん」
「まるで子供の喧嘩だわ」
その様子を少し離れたところで見守る仲間…というよりは保護者達は相変わらずの光景に顔を緩めたのだった。
***
戦闘シーンが書いてみたかっただけです…。
でも気持ち的にピサロさん、勇者を回復する率が高いような…?回復係のクリフトより先に回復しちゃいます。愛だねvv
「なぁ、新一は俺の事キライ?」
そう言うと新一は少し困ったような顔をした。
――…我ながらズルイと思う。
彼が本当は優しいことを知っていてこんなことを聞くのだ。
そして答えはいつも同じ。
「嫌い…じゃない」
「よかった」
にっこり笑ってそっと新一の体を抱きしめた。
――…新一は俺のモノだ。
子供みたいな独占欲で新一を捕らえ、離さない。
「好きだよ、新一…」
だから、ごめんね?新一
俺はもう、新一なしでは生きていけないんだ…
***
黒い快斗が書きたくなったのです…。
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